サツマノギク 料理の道を進みつつある娘が言った。 娘「辰巳芳子さんのスープの会って、いつになったら入れるんだろうねぇ?。」 私「そうねぇ、まだ見込みがあるのかどうかさえもわからないわねぇ。」 そのスープの会とは、料理研究家の辰巳芳子さんが主催している会なのだが、 以前娘がちょっと料理の勉強もしたいと言った時に、すぐに入れるとは思わなかったが、 とりあえず入会申し込みのはがきだけは出していたのだった。 それから早7年の歳月が経つ。 娘「住所も変わっちゃったしね。」 私「でも、まだ転送されてくるかもよ。」 娘「もし、入れるときに私が忙しかったらお母さんが替わりに入ってもいいよ。」 私「だめよ!わたしは魚がさばけないんだから。」 娘「う〜ん、なんでもやれちゃいそうな人なのにねぇ。」 私「トラウマだから仕方がないのよ。」 娘「食べるのにね。」 娘「もう辰巳さんのスープの会、募集していないんだって。」 私「誰だって寿命ってもんがあるからね。」 娘「どうしよう・・・ほかに誰かいい先生いないかなぁ・・・?」 私「そうねぇ・・・林弘子さんがいいわよ!何か料理教室もやっているはずよ。」 娘「あぁ、そうだね、いいかも。」 ヒノミサキギク 林弘子さんは、早くから国産小麦粉で作るパンとか、もろもろの発酵食とか伝統食、 とにかく目の付け所が良く、生きることと食べることを直結させていた数少ない料理人だとおもう。 娘「えっ?」 私「なに?」 娘「・・・えっ?」 私「だからなに?」 娘「亡くなってるって。」 私「えっ!嘘!。」 家菊 林弘子さんとわたしは生まれが1958年、何か近しいものを感じていて、 お会いしたことなどはないが、その著書はいくつか読んでおり、 特に「秘伝発酵食づくり」はいろいろ役に立った。 10年以上前、盟友とともに暮らしに役立つこと、日本の文化伝承のためにやっておきたいことを ピックアップし実践していた頃があった。 みそ作りもそのひとつで、その際上記の本はとても参考になった。単にミソを作るだけではなく 麹までつくったこともあった。それも林さんの本を参考に黒米や雑穀などで。 去年の終わり頃ふとしたきっかけでブログをやっていらっしゃることを知り時々見ていた。 娘の言葉でそのブログを久しぶりに見て唖然とした。 7月にお亡くなりになっていたというのだった。 視界狭窄、神経がそうとうやられていたのだろう。誤字脱字の多さに泣けてきた。 そんなつらい状況でもなんとかブログを更新させようとしていて胸が痛んだ。 生きるための、生き延びるための食ではなかったのか? そんなに無理をしなくてもよかったのではないか? おこがましいいい方であることは承知でいえば、遠くから同志のような気持ちでいた。 林さんの大胆さ、おおらかさ、繊細さが好きだった。 嵯峨菊 またまたずうずうしいことを言わせてもらえば、林さんの仕事のようなことを、わたしは、 庭でできないかと思っていた(いる)。 つまり、日本人であるということを忘れたくないのだ。 この地に生きている人として、この地にあった庭づくりをしたいと! 水場で 野路菊(愛媛) 足摺ノジギク クレマチスが楓にからまって。 林さん、天国で笑っていてくださいね。 おいしいもの、たくさん食べて。 な〜んか、菊の似合いそうな林さんに捧げます。
by sakillus
| 2010-11-30 21:15
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Comments(4)
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at 2010-12-01 14:37
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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sakillus at 2010-12-01 21:57
鍵コメさん、こんばんは。
ご覧になりましたか。休む暇なく働いていらっしゃったんですね・・・本当に、「がんばることはラク」みたいなこと書いていらっしゃいましたよね? わたしもほとんど休みなしなのでよくわかります。 そんなに体こわしてまでもすることなかったのにと、はたから見ればおもいますね。 私の場合は草木と戯れていられるのが骨休めですね。 林さんはとてもまわりの方から慕われていたとおもいますし、生徒さんなどにもたくさんの知恵を分けてあげて、充実感もあったとおもうのですが、なにしろ早すぎましたね。 きっと天国で鍵コメさんの思いを知ったとしたらうれしく思うのではないでしょうか? さて、本買ってくださったんですね。どうもありがとうございます! 本名はそうなんです。サキというのは高校時代からのニックネームでして・・・その方が馴染みがいいんです。 私の世代はケイコは多かったです。高二の時はクラスに7人! え?お会いしてました!?いやぁ・・そうですか?どこででしょう。
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さくらさく
at 2012-02-25 13:56
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こんにちは。
なんとなく見ていたら、ここにたどり着きました。 弘子先生にいろいろ教わって来た生徒の一人です。 ブログを拝見していて、生前、弘子先生とお会いしてたら、きっともっと好きになっていただけたんじゃないかな・・・なんて思ってコメントしたくなりました。 突然すいません。 先生は、豪快でお酒が大好きで、自分は全然食べないのに誰かに食べてもらうのが大好きな人でした。 常に自分では無い誰かの為に生きた人でした。 無理をしても弱音などはかない頑固な性格は、北国の女だからでしょうか。 いろいろ悔やむことばかりですが、泣いていては いつまで 無いてんじゃ!と怒られそうなので、この辺でやめときます。
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sakillus at 2012-02-25 23:05
さくらさくさん、こんばんは。
はじめまして!コメントどうもありがとうございます。 そうでしたか!生徒さんだったのですね。 このブログへの「検索ワード」、林弘子さんで来る方が意外にすごく多いんです。それだけ慕われていたり、関心をもたれていたのですね。 本当に惜しい方をなくしましたね。こんな時代にこそ生きていてほしい人だとおもいます。 さくらさくさんのようにずっと林さんのことを想っているいる方々がたくさんおられるのでしょうね。 生前わたしもしばしば林さんのブログは拝見していまして、文字にしても嘘がないというのでしょうか、人柄がにじみ出ていて、おっしゃることがよくわかります。 亡くなってもどこか心の通路があるような気がしますよ。
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