ROSASOLIS

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最後のひとり
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  ギボウシ タマノカンザシ 
  やや黄緑を帯びた葉色が野性的で清々しい
  地植えして2年もすれば大株になる


人類史を研究されている篠田謙一氏によると、近年の研究で、数十年前までの通説、「人類は100万年以上前にアフリカを出て世界各地に広がり、長い年月をかけて黒人や白人へと進化した」を覆し、「世界中に広がる人類の歴史はそれほど長くない。人類は6万年ほど前にアフリカから出発し、その時には今の私たちと同じ体格・能力を持っていた」と語っています。

ヒト細胞の中の、母からこどもに伝わるというミトコンドリアDNAを分析することによって、「世界中に生存している(た)人類の祖先はたったひとりのあるアフリカ人女性にたどりつく(ミトコンドリアイヴと言われる)」のだそうです。

それは、その女性が最初の人類であったということではなく、その女性の母もいただろうし、同時期に生きていた他の人類もいただろうけれど、現在の人類のミトコンドリアDNAとつながるという意味において最初の祖先だということになるでしょう。


東アフリカを出た祖先たちはアラビア半島を越えてオーストラリアへ、アジアへ、ヨーロッパ、そして日本にもたどり着きます。日本にたどりついたのはおそらく4万年ほど前だろうといいます。
その後人類はベーリング海を渡り北米へ。しだいに南下して最後に南米の南端にたどりつきます。
それが1万年ぐらい前です。その後にアジアにいた人々がメラネシアに広がってゆきます。
ハワイなどはすごく遅くて今から千年ほど前なのだそうです。

わたしは若い頃、日本人はいつ頃どこからきたのかとか、宇宙はいつどうやってできたかというようなことにすごく興味をもっていた時期があって、サイエンス雑誌なので気になる特集があるとしばしば買って読んでいたものでした。
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   タマノカンザシ 蕾


しかし、今日はアカデミックなことを書きたいわけではないんです。
篠田謙一さんのお話の中で興味深いことがありました。
南米の先端、ナバリーノ島にヤーガンという部族がいます。かろうじて生き残っています。
19世紀までは裸族だったということです。今純粋なヤーガンはクリスティーナ・カルデロンというひとりの女性しかいない、つまり最後のヤーガンです。
彼女にはこどももいますが混血しているので純粋なヤーガンではないのです。

そういった立場で彼女は言葉を伝えているということです。

篠田さんは彼女に聞きたいことがありました。最後のヤーガンとして人類にどんなことを言いたいかということです。
そこで彼女はなんと答えたかというと「酒を飲むな。」でした。
あまりにも無邪気な言葉に気が抜けるかもしれません。

まるで居留地に押し込められたインディアンのように、ヤーガンはある程度暮らしを保証されていますが、逆に言えば彼らが本来していた暮らしをすることを邪魔されているとも言えます。

これまでなかった酒を昼間から飲み始めました。発酵することができないほど寒い地なので酒はそれまでなかったのです。
彼女のまわりの人間、こどもたちもそうしてだめになっていったというのです。

かつて、裸なんて野蛮だから服を着ろとも言われた。しかし、服を渡されてもそれを洗うとうことを知らされていなかったがゆえに病気が流行り死者も出ました。

「酒を飲むな。」

実に示唆に富んだ言葉です。
今までなかったもの、快適なもの、便利なものには気をつけなければならない。
そういうことを言いたかったのだろうと篠田氏は言います。

われわれ現代日本人にもそういったものがあふれています。
原発などはもっとも顕著なものでしょう。

今わたしたち日本人はすぐには最後のひとりとなることはないでしょう。
が、過酷な天災、人災に遭い、今後土台を覆されかねないTPPがやってくる。
多国籍企業が土足で踏み込んできます。すでにゆうちょはアフラックの下請けになり・・・

ここでわたしは大切なものを守らなければならないと思ってきました。
参院選、いや、その前の衆院選で自民党が圧勝するかもしれないと感じられたころからいっそう強くなりました。

まずは言葉、日本語です。それから手仕事。(←わたしの第一の仕事)
もちろんほかにもありますが、人にはそれぞれの役目があるので自分が最大限やっていかなければならないことはそれだと感じています。

TPPでは公の文書は英語でと言われています。日本語が障壁になるからという理由で公用語を英語にしろと言われない保証はありません。
わたしたちがあたりまえに享受してきたありがたいものが壊れてしまうかもしれません。

わたしには日本語に対してはきわめて特殊な言葉であるという認識があります。たやすくは言えませんがそのことを20年を越えて身に染みつかせてきました。
手仕事も約30年、わたしの指先と脳はたしかな結びつきでわたしのいのちを支えてくれています。

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白花姫ギボウシ
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   珍しくツーショット
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   縁側にのぼって
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by sakillus | 2013-08-23 08:53 | 自然物 | Trackback | Comments(0)
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