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忖度しない人 前川喜平 退任前に全職員へ宛てたメール
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北側の庭の草を抜き、増えすぎるクサソテツも抜き、ヤグルマソウ(銅葉なのだけれど、ほとんど緑葉)を植えたら気分が良い。


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今国家では、これからの日本のあり方を揺るがす「共謀罪」の審議が参院で行われています。また、森友、加計学園ともに新たな学校を新設するにあたって、きわめて恣意的で不正な工作が行われ、そのことが日に日に明るみに出ています。

今や時の人となった前文科省事務次官前川喜平氏は政府がどうにかして彼をおとしめようと躍起になったが、結果は彼の誠実な人となりが逆に清涼剤のように人々を勇気づけ感動さえ与えています。


朝日新聞 DIGITAL に載っていたとのことなので、お読みになった方もおられるでしょう。前川氏が今年1月に事務次官を退職するにあたって2000人の部下にあてたメールがあります。少々長いですが引用します。

「「気は優しくて力持ちの文科省に」

本日、私は大臣から辞職を承認する辞令を頂戴しました。

 文部科学省の皆さんが元気いっぱい仕事に打ち込めるようリードすべき立場の私が、このような形で退職することは、誠に残念であり申し訳なく思っています。



 国家公務員法が定める再就職規制を遵守(じゅんしゅ)できなかったことは事実であり、文部科学省として深く反省し、しっかりと再発防止措置をとる必要があります。

 私を反面教師として、二度とこのようなことが起こらないよう、職員の皆さんは遵法意識を徹底し国民の信頼回復に努めてください。

 しかし皆さん、動揺したり意気消沈したりしている暇はありません。

 一日たりともおろそかにできない大事な仕事があるからです。

 文部科学省の任務は極めて重要です。私が考える文部科学省の任務とは、教育・文化・スポーツ・科学技術・学術の振興を通じて、誰もが明るく楽しくしあわせに人生を全うできる社会をつくること、未知なるものに挑戦し限界を克服し輝く未来へと前進すること、さらには自由で平等で平和で民主的で文化的な国をつくり世界の平和と人類の福祉に貢献することです。

 

そして、私が考える文部科学省職員の仕事は、子どもたち、教師、研究者、技術者、芸術家、アスリートなど、それぞれの現場でがんばっている人たちを助け、励まし、支えていくことです。

 特に、弱い立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官の第一の使命だと思います。



 その意味でも、文部科学省での最後の日々において、給付型奨学金制度の実現の見通しがついたこと、発達障害や外国人の児童生徒のための教職員定数改善に道筋がついたこと、教育機会確保法が成立し不登校児童生徒の学校外での学習の支援や義務教育未修了者・中学校形式卒業者などのための就学機会の整備が本格的に始まることは、私にとって大きな喜びです。

 
一方で、もんじゅの廃炉と今後の高速炉開発に向けた取り組み、文化庁の機能強化と京都への移転、高大接続改革の円滑な実施など、数々の困難な課題を残して去ることはとても心残りです。

 あとは皆さんで力を合わせてがんばってください。

 

そして皆さん、仕事を通じて自分自身を生かしてください。職場を自己実現の場としてください。初代文部大臣森有礼の「自警」の表現を借りて言うなら「いよいよ謀りいよいよ進めついにもってその職に生きるの精神覚悟あるを要す」です。

 森有礼は「その職に死するの精神覚悟」と言ったのですが、死んでしまってはいけません。人を生かし、自分を生かし、みんなが生き生きと働く職場をつくっていってください。



 ひとつお願いがあります。私たちの職場にも少なからずいるであろうLGBTの当事者、セクシュアル・マイノリティの人たちへの理解と支援です。無理解や偏見にさらされているLGBT当事者の方々の息苦しさを、少しでも和らげられるよう願っています。

 そして、セクシュアル・マイノリティに限らず、様々なタイプの少数者の尊厳が重んじられ、多様性が尊重される社会を目指してほしいと思います。

 
気は優しくて力持ち、そんな文部科学省をつくっていってください。

 いろいろ書いているうちに長くなってしまいました。最後まで読んでくれてありがとう。

 それでは皆さんさようなら。

 2017年1月20日 前川喜平

」


これを読みわたしも胸が熱くなり感動を覚えたひとりです。
正義感が強く誠実で愛情が感じられる、こんな官僚が日本にいたことは驚きでした。

前川氏は小泉内閣の時も、小泉内閣の進める三位一体改革による「地方交付税交付金の大幅削減」と闘っていました。(当時は文部科学省初等中等教育企画課長だった)。ブログ「「奇兵隊、前へ!」

今問題となっている加計学園獣医学部設置についても、菅官房長官は、無用に感情的になり、個人攻撃を加え、さらに、「だったら在任中に反対していればいいじゃないですか」とまるで前川氏がまったく在任中に反対していなかったような印象操作をしていますが、そうではありません。
前川氏は数々の圧力にもかかわらず、通すべきステップを踏んで、閣議決定され決定した、設置のための「四条件」に合致しているかどうか検討し、合致していないといけないと抵抗していました。彼だけではなく、文科省だけは唯一筋を通していたと言います。

メールでは具体的で丁寧に後輩への思いを綴られていますが、とりわけわたしが感動したのは、「仕事を通じて自分自身を生かしてください。」「森有礼は「その職に死するの精神覚悟」と言ったのですが、死んでしまってはいけません。人を生かし、自分を生かし、みんなが生き生きと働く職場をつくっていってください。」というところです。

暖かいですね、愛情が感じられるし、このようなことをお別れの挨拶に言える人はなかなかいないんじゃないかと思います。

小泉内閣以来労働は合理性が重要視され、労働者の環境は悪くなる一方です。賃金の実質低下、長時間労働、使い捨て、何のための、誰のための労働なのか、自分自身の身を削って低賃金で働かざるを得なくなっています。これ以上の低下には耐えられないだろうというところまできているかもしれません。労働とはなにか、自分を生かし、ひいては他をも生かすとは?

出会い系バーで親しく話をきいていた女性の告白や、退職後のボランティア活動でもあきらかになったように、前川氏はどんな状況でも相手に対し親身に接していたのだろうなぁと思います。前川氏個人をヨイショしたいからというわけではなく、彼のやった勇気ある行動は、人としてのまっとうさを我々に突きつけてくれただけではなく、政治家と官僚のアンバランスな関係、いかにも不公平な政治のあり方を変えるきっかけになるかもしれない重要な行動でした。

今国会では「共謀罪」というどうにもならない法案の決議が控えているため、国民がこのような最高レベルの独裁の仕業を注視しなければいけないのはいうまでもなく、前川氏のようなきちんと国民の利益に忠実な官僚もいたし、今でもきっといるだろうことに我々も勇気をいただきつつ、わたしたちみながいきいきと生きられる場を、国をつくっていきたいと思うのであります。



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by sakillus | 2017-06-06 00:04 | 世界、社会 | Trackback | Comments(4)
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Commented by kusuo522 at 2017-06-06 11:24
本当に同感です。こんな人がいたということに、一縷の望みを見出しました。それにひきかえ、うやむやにしておいて、皆が忘れるのを待とうというのみならず、前川さんの個人攻撃をする、阿部や菅やその取り巻き、見るだけで胸糞悪い。

緑の多いお庭、素敵ですね。我が家ももう少し狭ければ、隅々まで行き届くのに・・・とsakiさんのお庭を見てため息が出ます。
まあ、出来る間は少しづつ手を入れていきます。それにしても庭仕事はエンドレスですね。でも、これがあるから胸糞悪さが救われているのかもしれません。
Commented by sakillus at 2017-06-07 00:02
kusuoさん、そうですよね。
前川さんと安倍晋三たちとはまったく正反対、見事に対照的で、わたしはよく国会質疑を見るのですが、この問題に対する与党や官僚の答弁はますますひどくなる一方で、とうて民主主義と言えるものではありません。

この時期でも花より緑のほうが圧倒的に多い我が庭です。
広いお庭を維持するのはたいへんですね!
うちは全然行き届いていないのですが、この広さは適当でよかったなぁと思います。
庭仕事をしている間は無心になれてよいですね!
Commented by 星降る子 at 2017-09-24 00:57 x
ご紹介を得て、此方を読ませて頂きました。前川氏の官僚としての姿勢や人間としての姿勢に感動を覚えます。混迷の今の社会の中で、一条の光を見た思いをしました。前川氏の一生懸命の誠実なご答弁にも、このメール内容にも暖かさと強さを感じます。私達市民は見るべき目を養い、聴くべき耳を養わなければ、政治トップの人々の歪んだ中傷誹謗を許すことになってしまいます。
美しい緑いっぱいのお庭のフォトにも心が癒される思いです。 
Commented by sakillus at 2017-09-24 19:53
星降る子さん、初めまして。
コメントどうもありがとうございます!
前川さんは、退官したあとでしたが、内部告発的な問いをなげかけ、そのことから加計学園に関しては出て来るものすべてが腐敗したものばかりですね。

自分の立場をあきらかにしないでボランティアしていたキッズドアというNPO、日本国内で3カ所あるようなのですが、前川さんが通っていたところは福島県で、そのことも意味が深いと思ってしまうのです。もちろん子どもは県外に出すべきだという論も正しいと思いますが、そうできない環境もあるでしょう。そこに足を踏み入れ、それから、2学期の始まる頃は生徒の自殺も多い事から、「いのちのほうが大事なのだから、無理して学校いかなくていい」と言える元文部官僚ってやはりすごいなぁと思います。
思考と言動、行動の一致している人、すがすがしさと感動をくださいますね。
政治でも自分のまわりでも変えたいと思うならまず自分が変わるということを最近よく考えるのですが、前川さんなどを見ていましても考えさせられます。

庭写真もこともありがとうございます。
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