ROSASOLIS

薔薇の咲いていた時

今年は5月も6月もよく雨が降った。
そのお陰でバラは少し痛みはしたものの、雨を好むバラも少なくないような気がする。
というのは、雨の中で活き活きとした表情を見せるバラが多くあったからだ。
やはり、雨は天恵。

今ではわずかに一番花を残すもの、一番花に失敗して今頃ばんかいして咲いているもの、
二番花が少しきているものなどがあるが、全体としては波が去ったあとの静けさが漂っている。
代わって雨の中で楚々と咲くアジサイ、雨の中でも元気なベルガモット、
株が充実してきたダリア、少ないけれど鮮烈なセンノウなどなど・・・
もう少しすればユリが少し咲くはず。

それにしても、緑が濃くなってきた。
一番花が終わったバラは枝を切っている。そうすると、次々新芽が伸びてくる。
その勢いが気持ちよい。
思いの外勢いの良すぎるバラもあるかとおもえば、病気(黒点よりもベト病の方が多かった)や虫食いで無惨に葉をなくすものもある。
放っておけばバラにかぶる草花、葉をめくると蒸れて黒くなっているものもある。
今はメンテナンス時だ。
基本的なことをまじめに?やっていくことがなによりだいじだとおもう。

今日もあさからご飯も食べずに10時ごろまで草むしりをした。
何度むしった草を堆肥場に捨てに行ったことだろう。でもまだ全然草の勢いに追いつかない。もっとやりたいところだが、そればっかりもしていられない。

なかなかリアルタイムで載せられなかった薔薇、今日はこれまでに咲いていた薔薇を少し載せてみようとおもう。


f0160480_23394320.jpg

Alister Stella Gray 5/25

f0160480_2341172.jpg

Honorine de Brabant 5/25

f0160480_23424145.jpg

Rosa moschata 5/28  実生

f0160480_23435015.jpg

Mme.Alfred de Rougemont 5/28


f0160480_23443911.jpg

Chromatella 5/30  やはり大きかった!

f0160480_23453449.jpg

紫玉 6/11

f0160480_23473767.jpg

Deuil de Paul Fontaine 6/17

f0160480_23484099.jpg

Café 6/8

f0160480_2349016.jpg

Lavender lassie 6/9  (たぶん)


f0160480_23491923.jpg
f0160480_23493825.jpg

Francois Juranville 6/11
フランソワ・ジュランビルはなかなか見事だった。一輪一輪の花も、全体で見たときも良かった。
またしても下からすごいシュートが出ている。これのたくましさはなんだろうかとおもう。
香りもフルーティで好ましかった。


今日の画像はみな大きかった。まぁいいかぁ・・・
[PR]
# by sakillus | 2008-06-26 00:07 | 薔薇 | Trackback | Comments(11)
Radio



f0160480_1815575.jpgf0160480_18163135.jpg
アザミ  

セイヨウノコギリソウ


f0160480_1820111.jpg

Penstemon 'Huskers Red'

f0160480_18221547.jpg


ナンテン



f0160480_1824542.jpg


クレマチス カシス

f0160480_18301255.jpg

Salvia Clevelandii

f0160480_1833589.jpg


                三尺バーベナ


ところでバラです。

f0160480_18353726.jpg


Radio  [Sport of Condesa de sasutago]

Pedro Dot   1937年  (Hybrid Tea)

昔のラジオは電波が入ったり入らなかったりしてよく音声がとぎれたといいます。
この薔薇も赤い筋が入ったり、入らなかったりするところからラジオと
名付けられたそうです。

わたしの記憶の中では幼い頃、ラジオはよく祖父が聴いていました。
大きな箱といった印象の、今だったら古道具的価値はありそうなものです。
それほど音はとぎれてはいなかったように記憶しています。


f0160480_18384782.jpg



Pedro Dot  (1885~1976年) はスペインのバルセロナの近郊、サン フィリュウ デ ロブレカットという地で生まれます。
14歳でホアキン アルフォルフューの農園に弟子入りします。
ホアキン アルフォルフューは20世紀以前におけるスペイン唯一の特筆すべきバラ育種家でした。
そこでの徒弟期間を終えるとフランス、ベルギーで経験をつみ、バガテル公園でも働きながら育種を学びました。(J.C.N フォレスティエ氏はそこの監督官)
故郷のサン フィリュウに戻り、1915年からバラ育種を開始します。
サン フィリュウ デ ロブレカットはバラ栽培の環境としては世界最高といわれる地域です。

スペインの空のもとでは北国の淡い微妙な色彩は色あせ、病的に見えました。
そこで、スペインのバラ育種家たちは鮮やかなジプシーカラー、赤と黄色で燃え立つ色彩を求めていました。
色彩だけでなく、その光のもとでは花茎も驚くべき速さでしなだれさせてしまいましたから、しっかりした花梗も求められていました。

ペドロ・ドットはそのような要望に応え、鮮やかでしっかりしたバラを次々作出していきます。
このラジオというバラはコンデサ・デ サスタゴの枝変わりということですが、コンデサ・デ サスタゴは1930年の作出です。 
それは、ローマでの新品種トライアルに出品され、金賞を受賞しました。

                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


わたしはこの「ラジオ」というバラを初めて見たのは3年程前のことですが、明るく強い光が射す甲府盆地の地で、背丈よりも高く明るく花咲いている様子はとても印象的でした。

この花の良さはその明るさにあると思います。
赤と黄色というと、「下品」を象徴するかのような組み合わせですが、その赤も黄色も強くはなく、片方がもう片方に近づいているというのでしょうか。ケンカせずに馴染んでいて、その不規則さも好ましくあります。
スペインの強光のもとだけではなく、この日本の地において決して嫌みではなく、むしろ繊細ささえ感じさせるこのバラは、この色の系統のバラとしても、縞のバラとしても貴重なのではないでしょうか?

この度、ほかの薔薇を求めるために出向いたバラ専門店で思いがけず見たそのラジオという文字、いつもは忙しく立ち働いている女社長もその日はやや余裕があったのか、わたしも立ち話をすることができ、ラジオの話になると、うちの従業員はみんな好き、なんてことを言っておりました。
店頭で見つからないので女社長みどりさんは奥のハウスから持ってきてくれました。

f0160480_18395233.jpg




              Pedro Dot の話は Jack Harkness 著 
          『The Makers of heavenly Roses』(訳)を参考にさせていただきました。
[PR]
# by sakillus | 2008-06-22 16:09 | 薔薇 | Trackback | Comments(5)
下の畑を散歩すると

大きな桑の木がある。

f0160480_16481219.jpg

今が実の最盛期だ。

桑の木の下、農道には熟した実がたくさん落ちている。
ほとんど誰も採る様子はない。

わたしは農耕民ではなく採集民だとおもう。 まぁ、どちらかといえばだけれど。
こういったものを見ると無性に採りたくなってくる。

桑の実はとてもおいしいわけではないが、ほどよい甘さが心地良い。




f0160480_1652162.jpg


手を紫色に染めて



f0160480_16552069.jpg

f0160480_16554835.jpg


こんなふうに斜めに登って行くように育てるかぼちゃは初めて見た。
えらいなぁ・・・  手間暇かけて・・・

これの利点はなんだろう?
    実がわかりやすい
     実が汚れない
      人間の足の踏み場がある
       伸びやすい?
        手間暇かけた充実感がある

あとはなにかな?


f0160480_1712884.jpg


鳥避けネットの中で トウモロコシ が整然と並ぶ。

あたりまえのことだけれど、地面から食べるものが産まれることにとても感動する。

わたしは幼い頃は街中で育ったからこのような風景はほとんど見たことがなかった。


ふとおもうことがある。

近年、幼いこどもを対象にした犯罪が増加するにつれ、この市では外のスピーカーから
ときおり教育委員会からの放送が流れる。
つまり、こどもの安全確保のための大人への呼びかけである。
「通学時間に寄り道をしているこどもや、ひとりで遊んでいるこどもに対して、早く帰りなさいと促すように。」

わたしはこの放送を聞くたびに軽い悲しみと怒りがこみあげてくる。
まぁ、これを聞いてどれだけの大人が実践するかは疑問だけれど・・・
閉塞感だけは残るからね。

わたしはこどもたちに聞いてみたい。
       
          あなたたちは道を歩いて何を見つけますか?



f0160480_17164425.jpg


ところで、マタタビである。


f0160480_1716725.jpg


じつは、わたしはこの、半夏生のようなつる性の植物がマタタビだということを最近知った。

「この頃マタタビが・・・」  その言葉によって。

これを見ると暑い夏がやってくるなぁとおもう。
あんなに高いところまで触手を伸ばしてあがってゆく。
           いいなぁ・・・

こどもだけではなく、こどものようなこころをもったおとなが 何を見つけるか?
それも知りたい。


鳥の声、虫の音、わたしの足を踏む音、遠くに高速の走る音
[PR]
# by sakillus | 2008-06-20 17:27 | Trackback | Comments(0)
Ayrshire Splendens

わが庭で咲いてくれた薔薇、たいがいどの薔薇もわたしのこころに何かを残すものでありますが、その中でも特別に想う薔薇がいくつかあります。
それはその年によって違います。

今年の場合それがなんだったかとあげることはじつはわりにつらいことです。
あげなかった薔薇はそれほどでもなかったのかと問うとずきんときます。
なんとも歯切れの悪い言い方です。
そこで適当にぼかしておいて、それでも特に、特にこころにひっかかった薔薇を少しあげようとおもいます。


f0160480_1213055.jpg
f0160480_1221710.jpg


Ayrshire Splendens ( Hybrid Arvensis)
別名 Myrrh-scented Rose


この薔薇は別名ミルラ センテド ローズの名の示すが如く、ミルラの香りがきわだっている、とおもいます。
ミルラの香りがどういうものなのか、実際のところよくわかっていないのですが、イングリッシュローズの中にはミルラ香の強いものがーたとえばフェア・ビアンカとかトロワラスとかーあるようですが、エアーシャー・スプレンデンスを知ったあとでは、それらは純粋なミルラ香ではなく、ほかの、はちみつのような香りが混ざっているとおもいます。

それに比べてこのエアーシャー・スプレンデンスは、まことにきっと純粋なミルラ香がするといえるのではないかと、その匂いを嗅いだ時におもいました。
透明感の漂う甘く濃密な良い香りです。


f0160480_126132.jpg
f0160480_1262196.jpg
f0160480_1264586.jpg


そしてこの花!
さほど大きくはなくころんとした形、淡く深みのある色、後ろ姿もまたかわいくて・・・
Rosa arvensis plena と花の形は似ていますが、これはさほど香りは強くありません。
だったらやっぱりAyrshire Splendens !

薦めてどうするってなものですが・・・


この香りはヨーロッパの方はなつかしく想うのではないだろうかとなんとなくおもい、近所のスイス人のヴェロニカさんに持っていったところ、やはり懐かしい香りがすると言っていました。
ヴェロニカさんの実家ではお母さんが薔薇をお好きだったらしく、たくさん育てていらっしゃったのです。

ところで、スイスと日本の、切り花にしてからの花持ちの違いについて。
これはたしかにあるようです。この時期、日本においては一日か二日しかもちませんが、スイスではもっともっていたと言います。
その辺りは開花までになにか影響するものがあるのでしょうね。


注)  エアーシャー・スプレンデンスはあまり雨はお好きではないようです。
後半、雨にあてられた蕾は咲くことができずにかたまったままのものが少なくありませんでした。
苗を買って2年目の今年はたくましいシュートが出ました。
つるバラの扱いです。
[PR]
# by sakillus | 2008-06-18 01:33 | 薔薇 | Trackback | Comments(7)
香りが充満していた   5月28〜31日

うちの薔薇です。


f0160480_21345787.jpg


Le Vesuve
思いの外丈夫で、一年に何度も咲いてくれます。
花形も風情があって色も単純じゃなくていいですね。
手前の枝はフロックスですね。

f0160480_2138145.jpg


Belle Isis
枝垂れるように枝を伸ばして、花の重みで垂れてきていました。
隣の奥さんが支柱でもしてあげたら、というのですが、
支柱をしない方がいいんだけどな、とおもったのですが、
雨でぬれねずみのようになりそうだったのでついに支柱をしました。

f0160480_2143451.jpg


Juno
ため息がでますね。
なんだろう・・・この色と形
セイヨウノコギリソウが間にはいっていますね。


f0160480_21455670.jpg


Fantin-Latour
この薔薇の美しさの前には言葉が出ません。
こんな透き通った色をして・・・
朽ちても天上界に行くのだろうなぁ・・・


f0160480_21494991.jpg


Boule de Neige
じつはうちではこのブール・ドゥ・ネージュは変形に咲くことが多かったのですが、
今年は大丈夫でした。
背景はまたしてもふきです。

f0160480_2152452.jpg

f0160480_21531617.jpg


Ash Wednesday
この微妙な色をした薔薇にはじぃっと見入ってしまいます。
不思議な雰囲気です。
花持ちが良く、5日も6日も、もしくはそれ以上花を保っています。
いつのまにか咲きだしの頃の赤みは消え、薄紫が残り
これもあの世の花なのかなとおもうのでした。


f0160480_2224625.jpg


Reve d'or
それでもやっぱり好きですよ。
[PR]
# by sakillus | 2008-06-15 22:06 | 薔薇 | Trackback | Comments(3)
草ぶえの丘バラ園 2


バラの友だちと一緒にバラ園を訪ねる愉しさは、ほかの方の視線の先を共有すること。
自分ひとりではおもいもよらないことに、気づかないことに視線が飛ぶ。
バラの細部に、宿根草の彩りに会話が弾む。

時に離れ、おもいおもいのバラに気持ちが動くかと思えば、また集中し話題を集めるバラがある。
わたしたちの頬は紅潮していたかもしれない。
森のこびとたちが森で愉しく遊ぶように、わたしたちも、日常の雑事を忘れかろやかに歌い踊っていたかのようである。

f0160480_1212276.jpg


Rosa inodora   ロサ・イノドラ
inodorus (イノドールス)  香りのない

地面を這うような枝の流れ

イ ノ ド ラ・・・魔女のようなその名前は香りがなかったのか

f0160480_1264975.jpg


Rosa arkansana  ロサ・アーカンサーナ
arkansanus (アーカンサーヌス)  アーカンソー州の

f0160480_1342436.jpg


Rosa foliolosa ロサ・フォリオロサ
foliolosus (フォリオロースス)  小葉の多い

これの前を離れられなかった粋人、約一名・・・

f0160480_1391547.jpg


La Mortola (Hybrid Musk) 1954年 Hunbury
  異名  A Form of R.moschata
          R. brunonii 'La Mortola'

わたしの写真では残念ながらこのバラの良さが引き出されていないのだが、
とにかくこの日、このバラにはやられてしまった! 
なにがよかったのかはっきりと今言えないのだが、その細身の葉が奏でる雰囲気、
枝先の葉が微妙に色変わりする、その色気、
クローブというのではなかったが、その花のスパイシーでエキゾチックな香り、
のびやかな肢体、すべてが、すべてが!・・・・・まいりました。


それにしても、この日撮った写真はほとんど原種のばら
葉っぱばかりが目立つ

f0160480_1582821.jpg



この草ぶえの丘バラ園は、バラ文化研究所というNPOの組織が中心となり運営され、ボランティアの誠実な仕事にも支えられている。
ことさらにうたってはいないが、無農薬でバラを育てていると聞く。
広大な敷地に適度な間隔で800種、1800株のバラが植えられてある。
そのどれもが健康的な葉を持っている。

バラを繋ぐ支柱や構造物も自らの手で造ったものであるということ。
このバラ園が気持ちよく、人々が穏やかでいられるのは、そうした作り手たちの気持ちのありようが起因しているのだろうとおもう。

帰りの電車の中、わたしは自分たちがばらの匂いを発していることに気づく。
その日一日はそれほどまでにバラを吸ったのだった。
[PR]
# by sakillus | 2008-06-15 01:35 | Trackback(1) | Comments(6)