ROSASOLIS

ロサ・マイカイ


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庭を歩いているとふと強い引力で呼び止めるものがある。
その方へ振り向くと・・・ ロサ・マイカイだ。

毎年この薔薇がわぁ〜っと咲くといよいよ薔薇の季節を感じたものだったが、
去年は移動で軽いダメージがあったせいか、ほんの数輪しか咲いてくれなかった。
今年は数え切れないほどの蕾の数。

でも違う、そういうことではない。いつもと違うなにか。
わたしは今年のようなマイカイを見たことがなかった!


めしべは見えにくい。実をつけにくいのはそういうことなのかなとおもう。
花弁数25枚ほどの、つまりはあなたの肉体。


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   「わたしは、わたしの色はピンクではない。」

どういうわけか、そう言うマイカイの声を聞いたように感じた。
赤紫からマゼンタ色のあなたは、あらゆるものから屹立しているように見えた。

ロサ・マイカイという種がうまれ、中国や日本でとても長い時間、愛され親しまれてきた
歴史と一線をひくように、

   「わたしはここにいるもの。」

と、そういうあなたの強い意志が感じられた。

こんなかっこいいマイカイは見たことなかった。

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# by sakillus | 2008-06-03 16:00 | Trackback | Comments(0)
それでも薔薇は咲く


このところ連日寒い日が続きますね。
5月下旬でこの寒さというのは本当に珍しいことです。
でも、今年の気候は例年になくどうである、こうである、と言いつつ、例年がどうかというと典型的な「例年」はないように思えます。
いつの年もなにか、他の年と違います。

そんな中にあっても今年はほかの年との違いがいっそう大きいことはまちがいないようです。
ただそんな気候の変化をことさらに「異常」というのはどうかともおもうんですよね。
「異常」を文字通り読めば常と異なるということであっているのですが、異常というと本当におかしい!という響きがあります。

人間はまちがいを犯す存在ですが、地球はまちがいを犯さないとおもいます。

地球はまちがいを犯さないとしても、おこした現象の生んだ悲劇をおもうとき、
わたしは、じぶんのできることは遠い地域のことを、想像においてですが、しっかりと胸に刻むことしかないなぁとおもうのです。それを記憶として遺伝子に刻みつけることぐらいしか。

そんな折、庭ではバラが良い時期をむかえ、こうやって愛でることのできる自分にたじろがないわけでもありませんが、植物のいのちを素直にわきあがる感動として胸に刻むことはわるいことではないともおもいます。


5月下旬のバラから

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Alba semi-plena (Alba)
この薔薇が咲いてくれることは幸いです。
浄化作用を与えてくれます。
現在展開中ですが、西側の格子から正面に向かって枝を伸ばし、全部で200輪ほど咲いてくれそうです。肥料もほとんどやっていないのですが。

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葉のきれいな薔薇から
カラフトイバラ (species)
Rosa glauca (species)

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Gros Choux d'Holland (Centifolia)

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Contes des Campagne (English Rose)
ユリの葉がかぶさっていますね。
咲き始めより咲き進んで淡い色になった方が好ましいです。

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Belle Isis (Gallica)
これも今年はたくさん咲いてくれています。
大好きです。

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と、突然画像が大きくなりましたが、
Quatre Saisons Blanc Mousseux (Moss)
湿度が高いとなかなかきれいに咲いてくれなかった薔薇ですが、ここではなんとか
咲いてくれています。きれいですねぇ。

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Bourbon Queen (Bourbon)
これ、去年の新苗だったのですが、とびきりの生育のよさにびっくり!
3枚目はSombleuilと
やっぱり古い薔薇、名花と呼ばれるのにはわけがあると感心することしきりです。
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# by sakillus | 2008-05-31 08:10 | 薔薇 | Trackback | Comments(7)
4 - 6


いつも垂涎の想いで拝見しているお庭の主に、庭におけるバラの割合はどれぐらいですか?
とたずねたところ、その方は3割ぐらいだとおっしゃる。

では、わたしはどうなのだろうか?

正確なところを測ることは不可能なのだが、ざっと見回したところ、4割ぐらいなのではないかとおもう。

今は何本のバラを持っているか、動きもあるので数えていないが、煩悩の数(108)はたぶん超えているだろう。
地植え率もあがり、まだまだ本領発揮とまではいかないが、今年はまずまずの生長ぶりだ。
これからは一本一本を充実させることに主眼をおき、この4割を越えないようにしようとおもう。
謀ったわけではないが、わたしとしてはちょうどこれぐらいがいいところだとおもっている。

バラも咲き出せば早いもので、すでに4割近くのバラが咲き、いよいよ佳境というところ。
でも、今日はそれ以外のつまり、6割のうちの一部をみていただこうとおもう。


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今年になりやっと咲いてくれるようになったヤマボウシ
コバノヤマボウシというのもあるそうで、葉が小さいのでそっちかもしれない。
春から初夏にかけては木の花がたくさん咲く。
木に咲く花は特別な感じがする。ただただ清々しい。



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ないとおもっていたアヤメがあったり、シランの赤紫が鮮やかだったり。



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エンゴサクがこんなに長い期間咲いてくれるなんておもってもみなかった。


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いただきものの ヒューケラ グリーンフィンチ(だったよね)
雑草が入り込んでいるのだがのどかな景色で、抜きがたい。


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同じくヒューケラのキャラメル?  アンバーなんとか?



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まだ本当にチビなんだけど、ウラジロヨウラクツツジ
この形、色はそそりますね。かわいい。


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クレマチス ドクターラッペルは色がきつくてまいっちゃうのだけれど、これは地味に収まっていますね。
アリスター・ステラ・グレイと。
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# by sakillus | 2008-05-29 16:54 | 庭づくり | Trackback | Comments(9)
夜、という名の薔薇



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Night  Samuel McGredy Ⅱ  1921年 (Hybrid Tea)

夜という名にふさわしい薔薇である。
その黒赤は2日、3日と時を経ても色あせることなく、最後には見事な紫味を帯びた色になる。

この花の香りを初めて嗅いだ数日前、わたしは本当に倒れそうになった。
しかし、それを免れたのは前にかがんでいたからで、直立していた態勢だったら危なかっただろう。
それほど強烈だった。

おそらくダマスク香、といっていいとおもう。今まで私が嗅いだそれほど多くはないダマスクローズの中においてもそれらにひけをとることなく、いやむしろそれらに勝っているほどの香りの密度であった。

ダマスクというとシリアの首都ダマスカス(ダマスクス)からもたらされたということだが、それに加えわたしの脳裏をくすぐるのはナイトーアラビアン・ナイトの連想である。
そこで一気にイスラム世界へと飛ぶのである。


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イスラム世界の花は薔薇といってよく、「バラは神に捧げる神聖な花であり、愛のシンボルであり、また死者の霊にその安楽な永眠のために捧げられ、バラ水は死者の亡骸を清め、王座を清め、自らの身体を清め、料理の香り付けに使われ、また薬用としても利用され、庭園にはなくてはならぬ花であった、」
(藤本優 『花の女王との出会い』より)

バラ水はグラーブとよばれ、イスラム世界で最も多量に生産された香水であるという。バラ水の生産地は各地方にあったが、あるバラ水の大産地では大量の赤バラが生産されていたようであった。
この赤バラとはいったい何であったのだろうか?

   Nightは20世紀の作出であるわけだから、これが使われたことはあり 
   えないのだが、もしその時代にイスラム世界にあったとしたら使われた
   としても全くおかしくはない。そう思えるバラである。

そして、イランでは10世紀頃,バラの花弁を熱し、バラの精油を蒸発させた後、冷却してバラの精油だけをとりだすという、水蒸気蒸留法が発明され、バラ水の芳香が高められた。

バラ水はインドや中国にも輸出されたが、中国の書物のいくつかにはそのイスラムのバラ水の素晴らしさを讃えたものがある。

例えば宋代の『太平寰宇記』 
「この薔薇水は西域(イラン)でつくられたものである。衣に振りかけても、衣の鮮やかな色はあせることなく、その香気は馥郁とした香りを発散させて、数年経ても香りを失うことはない。」など。
『香譜』にはバラ水を大食(タージー)水とよび、「大食水は大食国の薔薇のことである。人は明け方に起きて薔薇の上にある一滴の露を爪の甲で採る。これを耳輪の中に置くと、口、眼、耳、鼻、すべてにすばらしい香りを感じ、一日中その香りを失わない。」とある。

イスラム商人がバラをバラの花上の露から採るといったのは、バラ水がいかに貴重なものかを強調して、高値に売りつけようとしたからととれる。

中国でも香り高いバラが咲いていたのにもかかわらずイスラムのバラ水を礼賛していたのは水蒸気蒸留法の技術的精度にもあったのだろうが、やはり西アジアほど香りの良いバラは中国にはなかったことをうかがわせる。
               
                      
                  藤本優 『花の女王との出会い』を参考にさせていただいた。



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さて、話をNightにもどそう。

このバラは、その花びらのビロードのような質感、色味、花持ち、そして深い香りにおいてかなり完成度の高いばらであることはまちがいなく、いかにもHTらしく直立した樹形をもち、花を真上に咲かせる花茎の強さをもっているにしても(このことは一般的には全くそのバラの価値を減ずるものはではないが)その樹形をもつバラの数を増やしたくないわたしでさえほれぼれと感ずるバラである。

イスラム世界が今日のように解きほぐせない争いの渦中になかった時代を夢想させてくれる薔薇であるかもしれない。
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# by sakillus | 2008-05-26 03:13 | 薔薇 | Trackback | Comments(15)
雨の中の薔薇


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その日は朝から雨
季節はずれの台風が襲った日

   Mme.Alfred Carriere

せっかくここまで咲いてきた Carriere 少しだけ摘んで室内に入れた
部屋に立ち上る香気

妙に静かな時


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やがて雨は小雨となる
ときおり陽がさしたりして

    Reve d'Or

不穏なのか不穏でないのか
これからまた嵐がやってくるのか

わたしの心拍数はあがっているかもしれない

妙に静かな時

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何故咲いているのかその意味を問うこともなく
たった2日か3日 この世に存在する
 
   Mary Rose

誰に見られようと見られまいと


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雨に打たれぼろぼろになり、それでもバイカウツギと触れあいたいと願っている

   Rosa × maikai (maikwai)

なま暖かい空気
非日常のざわめき

風はやんだが 
明日には散っているだろう マイカイ

まるで蜻蛉のようだ
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# by sakillus | 2008-05-22 18:19 | 薔薇 | Trackback | Comments(6)
Rosa spinosissima lutea ?


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Rosa spinosissima lutea という名前で購入したものですが、lutea 黄色というには
疑問があります。どうみても淡いピンクですが花弁の基部に淡い黄色がのります。
いずれにしても絶対胸がキュンとなります。
香りもさわやか〜。

本来のRosa spinosissima luteaは淡い黄色の花弁だということです。
形状はブッシュで高さは50〜100㎝。
そこのところはあたっています。
ブッシュ状であるということは、スコッツローズ (Scots Roses)の研究者、
ピーター・ボイド (Peter D.A.Boyd) 氏の規定する典型的なスコッツ・ローズに含めていいのかどうかはよくわかりません。
この性質はイギリス、ヨーロッパ大陸西側原産のものではないかもしれません。
アジア原産のもののような気がしますが、まだよくわかりません。

ちなみにピーター・ボイド 氏の規定する典型的なスコッツ・ローズとは、
「イギリス、ヨーロッパ大陸西側原産のロサ・スピノシッシマに由来する栽培品種とこれに似た形質をもった交配種」
ということであるようです。


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Rosa spinosissima と Rosa pimpinelifolia との関係は微妙で勉強不足なわたしには
今は何とも言えません。(勉強する時間が欲しい〜!)

pimpinelifoliaの由来は ピンピネラ(Pimpinella サンギソルバの古名)、サンギソルバ
(Sanguisorba), バーネット(burnets) 、いずれもワレモコウのことだそうです。

ワレモコウに似たかわいい葉をしていますね。

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 と言っておきながらこれはまぎらわしいですね。手前の長細い葉はべつのもの。

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ひきつづき Burnet marbled pink

この巻きかげん、罪作りな気がしませんか?(笑)

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真正面からも撮っちゃうぞ。

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む〜。咲き進んだところ。やられちゃったなぁ・・・



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そして今日はじめて見る花がありました!
Hibernica です。
ハイブリッドスピノシッシマです。R.canina × R.spinosissima

丈は現在1,5メートルぐらいになっています。
これの本当のかわいらしさは実際に見ないとわからないかもしれません。
そしてその香りは、強くはないのですが、ほんのり柑橘系の、そして複雑な香り。
これはかなり好みです。
花も実も素敵で、いいものを見つけた時に、自分だけの胸の内にしまっておこうという気持ち。
内緒、内緒・・・

Hibernica は可憐なお嬢さん。
この花びらのようなひらひらする帽子をかぶって、晴れなら野原に、海に自転車をこいで
出かける。
そんな感じです。

ときどき帽子が風に飛ばされたりして.... あっ
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# by sakillus | 2008-05-19 00:08 | Rosa spinosissima | Trackback | Comments(7)