うちの一番花は名称不明、ロサ・スピノシッシマの仲間でした。大好きな薔薇です。 ミツバチの大量死や失踪は近年多数報告され世界中で人々にとまどいと不安を与えています。ミツバチは花密と花粉を採るのが目的ですが、同時に受粉を助けることにより我々人間も野菜や果物を食することができ、食べ物以外の植物の繁殖という恩恵にもあずかっています。 植物の8割はミツバチが受粉してくれて、彼らがいなければ人間はまたたくまに食べ物に窮してしまうのです。 ミツバチの大量死や失踪の原因はいくつか考えられていますが、農薬も確実にそのひとつであることはまちがいないと言われています。特にネオニコチノイド系、有機リン系農薬は神経毒性を持っていて、ミツバチの脳に作用し、アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼ(AChE)という酵素と結合し、その働きを阻害してしまいます。その結果、アセチルコリンは分解さ れずにアセチルコリン受容体を刺激し続けてしまうことになり、影響を受けた昆虫などは興奮状態が止まらず、死に至ることになります。あるいは、帰巣本能をなくしてしまうのです。 働きバチがいなくなると結果的に女王蜂は世話をしてもらえず巣は崩壊してしまいます。 前回も書いたように、「ヒトと昆虫の神経系は基本的に同じ」であるがために、ヒトにも良くないと考えるのが妥当でしょう。 ネオニコチノイド系農薬の特徴(危険性)は簡単にいうと以下のようなことがあります。 ●神経毒性 昆虫、人の神経系で重要な働きをもつアセチルコリンの正常な働きを攪乱する ●浸透性 水溶性で作物に吸収されるので、洗っても落とせない ●残効性 条件により残効性が高まり、地中に長期(1年以上)残留する わたしもそうでしたが、日本の農薬の基準はそれほど低くはないと思っているのではないでしょうか?まさか中国より甘いはずがない、アメリカや南米はどうなのだ? ・・・ところがどっこいでした。 このグラフをみれば一目瞭然です。 なんと単位面積辺りの使用量は日本は世界で第二位!一位は韓国でほぼ日本と変わりません。さらに驚くことに,農薬使用量と「自閉症、広汎性発達障害の有病率」は一致するのです。ここまでとは思いませんでした。 日本の農薬の基準は個々によって異なるものの、EUと比較すると何十倍も甘いのです。 ネオニコチノイド系農薬を使った商品は、タークル、ダントツ、フルスウィング、モリエート、 ハスラー、タケロック、アクタラ、モスピラン、アドマイヤー、マツグリーン 、カダン、アースガーデン、メリット、ウィンバリアード、エコワンフロアブル、 プリンス、フロントライン、アジェンダ、ブラックキャップ,etc… また、バラ栽培者によく利用されているオルトランDX粒剤は住友化学の製品で有効成分としてクロチアニジンが使われている、これもネオニコチノイド系農薬です。 住友化学といえば、悪名高いモンサントの日本代理店となり、遺伝子組換え作物種子とセットでラウンドアップというとても強力で悪質な農薬を売っている会社です。 元会長の米倉弘昌氏は少し前まで経団連の会長も務め、TPP旗ふりの役目を担い、我が日本の資源、資材、制度をアメリカに売る売国奴として有名です。 ラウンドアップはベトナム戦争のときの枯葉剤と同じ成分であると言われています。また、遺伝子組換え作物はラットへの投与により、ガンになることがわかっています。 ミヤマオダマキ おぼろ バラ栽培では今でも農薬使用があたりまえなのでしょう。大事なことは事実を知ることです。 何が大事かはひとによって違うでしょう。でも、事実を知らなければ何が大事かの判断はできないかあるいはまちがえます。 生産者など、病気などに人一倍気を使わなければならない場合はべつとして、どうしても使わなければならないでしょうか? わたしはかつて、「農薬は使わない、アブラムシは手でつぶしている」と言った時、とあるバラの愛好団体で冷笑されたことがありました。でも、関係ありません。今では手でつぶすこともありません、アブラムシはそのうち消えてしまいますから。 農薬を使わないのは、わたしが化学物質過敏症だからと、勝手に理由をつけられたりします。笑。 わたしは,農薬を撒いたばかりのバラ園などに行くと頭痛はしますが、べつに化学物質過敏症ではありません。(というか、わからない、そのようなことで病院には行かないから)不快なものに反応するのは当然です。自分が不快なものを環境に流してよいはずはないと、そのように思っていました。 どうしてもできないこと、たとえば、福島第一原発から放射能漏れをなくすことはできませんが、農薬使用をなくすことはできると、わたしは思います。 いや、それも限りなく不可能に近いでしょう。 でも、可能性はないわけではありません。 追記 5/2 絶滅危惧種である佐渡のトキはなかなか繁殖がむずかしかった。それで、近隣の農家に農薬を使わないようお願いしたところ、見事無事に孵化したといいます。 このように、農薬は生殖機能をも阻害します。 日本人そのものが少子化、つい最近ちらっと聞いたところ、アメリカのどんな機関が発したのか聞き逃してしまいましたが、「日本人が絶滅危惧種」だと本気で言っているのだそうです。 やれやれです。あちらに言われる筋あいじゃないですよね。笑。
by sakillus
| 2015-05-01 23:47
| 体
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Comments(4)
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すみごん
at 2015-05-02 08:02
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おはようございます。
スピノシッシマのお仲間、いいですね。淡い色も小さくてきれいな葉も。私も大好きです。 みつばちの大量死については、昨年映画を見たこともあり気になっています。みつばちだけでなく、人間の都合でいともたやすく殺されていく虫がなんと多いことか・・・ バラの数が減ったこともありますが、私も昨年から薬品をまったっく使っていません。共同住宅という環境もありますし、蜂や蝶がよく飛んでくるので彼らに悪い影響を与えたくなくて。 ラウンドアップって除草剤ですよね? ラジオでCMをやっていて、「散布後1時間たてば雨が降っても大丈夫」なんて言っているのを聞き、ぞっとしました。それほど強力に植物を枯らす薬品って恐ろしいです。
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hako
at 2015-05-02 08:05
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sakiさん、おはようございます。
今回の記事もとても勉強になります。 ありがとうございます。 私もこの1ヶ月、猛烈に農薬について勉強しています。 何にも知らなかったので、頭にじゅわっとよくしみ込みます。 私たちの畑の指導をしてくれる講師がいるんですが 農薬を遣わないとみんな虫にやられちゃう。 と仰っていました。 現在80歳でずっと商業農家をされていた方なので、収量や形が大切なのですね。 でも、 やっぱり農薬を使いたくないの? って聞いてくれただけ良かったかな。 私は見た目がどうとか、食べられないとかそんな事はどうでもいいんです。 最初の1年なので、どんな事が起こるのか知りたいんです。 土を掘って出てくる虫も1つ1つチェックしてます。虫好きなので(笑) まだずっとはいられないので、何があっても平気なのですが 私たちの畑に農薬を使う事で、他の人の畑にも生態系にも迷惑をかけたくないですね。 あ、そうか。 私が化学物質過敏症だということにすればいいんだ! 東京で無農薬の野菜を宅配してもらって、畑で農薬使うのも変な話ですよね〜(笑)
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sakillus at 2015-05-02 22:48
すみごんさん、こんばんは。
このスピノシッシマは写真では平開してますが、カップ咲きの頃がまたかわいいんですよ。おまけに香りもいいのです^^。 はい〜、あの映画のパンフのコピーをすみごんさんに いただきました。この記事にも参考にさせていただきましたよ! 本当にひどいものだと思います。ミツバチがいなくなったら結局は自分たち人間が困ることにもなるのに、目先の利益に眼がくらんだりで、今世紀もどれだけの生物種が絶滅していったことか、、、 ある意味、集合住宅のようにベランダで屋根のある環境は、バラでは黒点には有利だけれど、うどんこ病とかハダニなどには不利なのかなかぁと思います。 農薬を撒かなくなると、蜂や蝶、他の虫、鳥などがよく来ますね。多様なほうが楽しいですよね。量的にそれほどでもないと人間は思っていても、何がどう反応するのかわからなので、予防原則からかんがみても、不用意には撒いてもらいたくないです。 ラウンドアップ、除草剤です。そう、モンサント社で販売している種子の作物だけは枯れないって言うところも恐ろしいです。普通に売ってますよね。枯葉剤って書いてあれば買う人はいなくなると思うんですが。
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sakillus at 2015-05-02 23:03
hakoさん、こんばんは。
いやぁ、とんでもないです。まぁ本当に心底困る問題が次から次へと出て来るのでほとほといやになってくるのですが、近年の子どもの発達障害の増加は尋常ではなく.前々から農薬は原因のひとつだと想像されてましたが、やっとそれも関連づけられたとあって、これは書かないかんと思って。 それはそれは。これから畑作も楽しみですね! そうですねぇ、虫にやられるのも、自家で食べるのならそれほど問題ないですよね。うちでも、ジャガイモの葉っぱ、てんとう虫にやられてますよ〜。 おぉ、さっすが!なにしろ興味もって探るのが一番です。 わたしも畑は二の次三の次にななってしまいますが、自家製の野菜っておいしいんですよね。葉ものなんかとにかく新鮮でやわらかくて。 その講師の方からも学べることはきっとたくさんあるでしょうし、いろいろ本やネットで情報を集めると自分にあった、向いた方法が見つかるかもしれませんね。何はともあれ実践できるっていいです。 >東京で無農薬の野菜を宅配してもらって、畑で農薬使うのも変な話ですよね〜(笑) たしかに〜!
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