ROSASOLIS

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遠山郷 霜月祭 1
遠山郷は長野県飯田市上村・南信濃、南アルプス西側の深い谷間に位置する。周囲と隔絶されたというと今ではそういうわけでもないだろうけれど、鉄道に乗るにも山を越えなければならない土地は道路が整備される前は行き来も大変だったろうから極力自給自足だったのだろう。狭い山間の土地を段々畑のように開墾した風景は郷愁も誘うけれど、人の営みの苦労を物語る。

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霜月祭
のことを知ったのは今からもう15年以上前のこと、当時民俗学に興味を持っていた私は図書館や本屋で目に付いたものを手当たり次第見ていた。特に写真はわかりやすかったら写真集はよく見ていた。美しい女性の面が表紙になっていたそれを見た時は衝撃が走り幾多の面が登場するそのお祭りにはとても興味が湧いていた。しかし、遠山郷は遠く、旧暦の霜月というのは新暦では12月になる。その頃は仕事の有無を言わせない忙しさが私を押さえつけていた。そのうえ南アルプス山麓の深い谷間にあるところなど雪深いのではないか、車はチェーンをつけなければいけないようなところではないかと勝手に決め込んでいた。何年もこの祭りのことは封印され、消されそうなかすかな望みのようになっていたが、今年は行ける可能性が見えていた。

夏にキャンプを兼ねて下見に出かけた私たちはそこが祭りの頃、少なくとも12月の半ば前ならばほぼ積雪はないことがわかった。

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霜月祭は、近年まで12か所(13社)であったが、現在は9か所(10社)で伝承されている。
旧暦霜月には必ず冬至が含まれる。1年のうちで最も日照時間の短く太陽の力の最も弱まるこの季節に霜月祭を行うことで、万物の生命の再生、清まりと新たな生まれに願いを込める。

祭は日中から夜を徹して行われる社と夜中に終了する社とがある。本来はどこも夜を徹して行われていたものと思われる。
太陽が沈んだ後長い夜を越え翌朝の新たな太陽を迎えることで新たな生まれを感じることとなるのだろう。今では珍しいディープな祭は国の重要無形民俗文化財に指定されている。また宮崎駿はこの祭に感銘を受け、「千と千尋の神隠し」はこの祭がベースにあるという。

霜月祭は、言霊信仰に基づき、詞や神歌によって進行する。ことのはの力によって清めた祭場に全国の大社や地域の神々を招く。お清めの舞や詞、神歌にはそれぞれ意味があるようだが、私たちはそのあたりは見ていない。神様がおいでになった後の行事を見たのであった。

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私たちが見たのは木沢 正八幡神社でそこにはかまどが3つありゴージャスだ。
かまどの上には多種類の紙飾りがありそれらも意味があるようだ。

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これは四面四番 猿田彦命 の登場の場面


    つづく
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by sakillus | 2017-12-15 01:31 | 文化伝承 | Trackback | Comments(2)
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Commented by すみごん at 2017-12-17 05:50 x
15年以上も前に持った望みがかなってよかったですね!
今年は寒くなるのが早かったし、雪も多いと聞いていましたが
ギリギリセーフ!といったところでしょうか。

キーンと冷たい大気が似合いそうなお祭りですね。
代々続いてきた行事には、生活に根ざした意義がしっかりあると思います。
41もの面が使われるんですね。
面というのは、写真で見るより実物が、とくに人が身に付けた時の印象がかなりのインパクトを感じさせますね。

つづきを楽しみにしています。
Commented by sakillus at 2017-12-17 22:55
すみごんさん、そうですね。いろいろと感慨深い旅になりました。南アルプスや八ヶ岳の上の方はすっかり白くなってました。
途中の小淵沢から諏訪のあたりは標高も高いので一部に雪がありました。遠山郷は深い山あいなのですが、静岡に近いので意外とそれほどでもないのかなぁと思いました。

あるところでは若者が遠山川にほぼ裸で禊として入るなんてこともあった(ある)ようです。いやぁ寒そうですねぇ。
なんかお面の数は社によって違うみたいで、お面の感じも微妙に違うようです。歴史的には作られた年代も一時期ではないけれど、長い年月が経っているのでかぶる人も身の引き締まる思いがするんじゃないかと思います。
写真で見ると迫力ありすぎて怖い〜と思うところもあるのですが、実際は以外とユーモラスだったりしました。
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