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ROSASOLIS

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立水栓 その2

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   雨に遭って少し傷んだパンパスグラス


水道の位置を変えるには給水管がどこを走っているか確かめなければならない。
それで、「給排水管の図面ありませんか?。」と聞かれたのだけれどないのだった。
それは工事を水道屋がやったのではなく、大工さんがやったからだとおもう。

一般的には管の位置には約束事があるらしく、それにそって庭師さんは推定して掘ってみるのだが、ない!

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場所を変えて掘ってみるとあるにはあったが、それはないだろうというところに・・・
ちょっとしたアクシデントもあった。
でも、少々のことでは動じない彼は「やられましたね。」と苦笑して処理する。


それから、新たな水道の位置とそれに近い給水管まで深さ50㎝に管が通せるように掘る。

立水栓 その2_f0160480_184015.jpg


掘ってますね。

立ち上がる水栓の位置を決めていよいよ石を積んでいく。



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立水栓 その2_f0160480_1122947.jpg


上の写真をみていただければおわかりのように、石の間に何かを詰めているのだが、
これが今回の目玉!(と言えるかどうかわからないが・・・)

今回立水栓をつくるにあたって、一つは石の量が足りなさそうだということと、
普段は端正な仕事をすることの多い庭師さんであるが、そのためには石を切ったりしなければ
ならない。それは手間のかかることでもある。
石を補い、また石切りを避けるために間を練り土で埋めようというのが彼の案だった。

そうしたことは彼にとっても初めてのことで、それがどのようになるのかはわからない。
しかし、そうおかしなものにはならないだろうという、おそらく自信のようなものが彼にはあったとおもう。
それに、少しは予測できないことをやるのも愉しいものだ。

それゆえにわたしに「粘土質の土を採ってきてくださいね。」と頼んでいたのだった。
と、ところが、採取した土と上で堀りあげた土とどちらが粘質かというと、なんと、我が家の土の方が粘性が高かったのだった!
ある意味、が〜ん。 (まぁ、その辺りはなにも入れていないのでそれもあろうかと・・・)
で、結局堀りあげたうちの土にセメントを少し入れ、稲ワラをつなぎ目的で入れることにしたのだった。

立水栓 その2_f0160480_1304086.jpg


それらを混ぜて水も加えこねている図
これはわたしもやっています。
はっきりいってとてもたいへんです。!!
         また筋肉がつきそう・・・太陽光がひりひり痛い。腰は大丈夫か!?

「あと何回ぐらいやるのかねぇ?。」
「10回はかたいでしょうね。」
     ・・・・・・・・・・・・・・・ため息・・・・・・・・・・・・・・


立水栓 その2_f0160480_1373235.jpg


練り土をさらに手でこねて、入れていっては押し込み、棒などでつつき、
鉄筋がわりに竹を縦、横に入れていく。

あの、はっきりいって、石だけより、石を切るより手間はかかっているという・・・
でも、たいへんだけれど、これもなかなか味のあるものになるとおもう。

今回の彼の狙いは、端正なものをつくるのではなく、
「農家のオヤジがなにげなく石を積んでできたもの」風につくるということだった。
無作為のように見える作為とでも言おうか。
端正につくることはむしろ簡単だという。でも、それが合うところと合わないところがあると。
まわりのいろいろな要素とあわせなくてはならない。
だいたい庭は主の性格もあらわれるものだから、わたしのような人間が関わるものなのだからラフな部分があった方が良いに決まっているのだ。
今ある植栽を見てもしかり。

それでいて、決めるところはしっかり決める。
さらに、これから加えていくだろう植栽を含めて良い感じにもっていくこと。
立水栓だけで100%にはしないこと。

いろいろなことを考えての上でやっている。
やはり彼はプロなのだった。とても良質な。
by sakillus | 2008-08-31 02:07 | 庭づくり | Comments(6)
Commented by Seedsbook at 2008-09-01 16:16 x
おはようございます。
石の積み上げは大変ですが面白いですね。私も友人の庭で手伝ったことがあります。
彼女は石をあちこちから集めては持ち帰ってというすごい作業もしていました。
もう10年ほども前の話ですが。。。大きな池も作りました。
ロームで作った生垣も味があって好きです。
とてもセンスのよい頼もしい庭師さんに恵まれてよかったですね。
素敵な庭が着々と出来上がってゆきますね。
記事を拝見しているだけでも楽しみに思います。
Commented by すみごん at 2008-09-01 20:04 x
無作為のように見える作為、というのは、利休の世界に通じますね。
花は野にあるように。
「野にあるとおりに」ではなく。
いい庭師さんと出会えてよかったですね。
Commented by sakillus at 2008-09-01 22:58
Seedsbookさん、こんばんは。
時差ですね。8時間ぐらいありますか?
石の積み上げ、おもしろそうです。足りない中でやっているので捜しながらあてはめ、力もいることですが、
大きな泥団子をつくったり、石をおいたり、ある意味「遊び」のようなものですよね。
わたしはそちらには参加できずに、ただただおもい土をこねているだけで残念で〜す。

Seedsbookさんは器用ですし、いろいろなことをおやりになりますよね。きっとお友達もいろいろ自力でなさる方が多いのでしょうね。大きな池もつくったというのはすごいですね。!

プロの庭師って結局どれだけ手持ちのカードを持っているか?というようなことだとおもうのですが、
その点でも全面的に信頼しています。若い方なのですが・・・年齢ではないんですね、蓄積は。
謙遜ではなく、わたしはまだまだなのですが、ぼちぼち手をつけていない西側から家の前も植栽を考えてゆきたいと思っています。^^。 
ありがとうございます。
Commented by sakillus at 2008-09-01 23:07
すみごんさん、今日も作業をしたのですが、ちらっと茶道の話もしました。^^。利休のはなしはしませんでしたけれど。

花は野にあるように、といえば、今日はシャジンの植え付け場所について教えてもらいました。
彼は野や山にある風景を熟知しているので、細かい話になるのですが、どういう場所に生えているか、ただ日陰、半日陰ということだけでなく、光に対してどう向いているかなど細やかな話を聞きました。
まぁ、それをわたしがどれだけ納得できたかは怪しいですが・・・

いろいろ気づかされておもしろいですね。
庭をデザインする、というのとは全く異なる話です。
Commented by 一拙 at 2008-09-04 21:43 x
パンパスグラスの写真は、いつもの写真と違うような気がします。
三脚を据えてガッチリと撮った写真のように見えます。
Commented by saki at 2008-09-05 00:10 x
一拙さん、こんばんは。お久しぶりです。

それが〜、わたし三脚を持っていないんですよ〜。
うちに来る宅急便のお兄さんはカメラ好きでして、先日、絞り優先にしたときのF値と焦点との関係を伺いまして、少し理解できたかなぁ?っていうところでして・・・この写真はしっかり覚えていないのですが、いろいろ意識の上でなにか試しながら撮っていたのだとおもいます。

何事も勉強ですねぇ・・・なにごとも・・・いくつになっても。
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